2017年6月9日
【獣医師監修】その震え大丈夫?犬が震える理由とその対処法
監修にご協力いただきました!
櫻井洋平先生
BiBi犬猫病院 院長
2008年3月 麻布大学獣医学部獣医学科卒業
2008年4月〜2013年11月 横浜市内動物病院勤務
2011年4月〜2015年3月 麻布大学附属動物病院 腎泌尿器科・外科 専科研修医として研修
2013年12月〜2015年5月 千葉県内動物病院勤務
2015年7月〜2016年2月 宮城県内動物病院勤務
2016年11月〜 仙台市にBiBi犬猫病院を開院
愛犬が震えていると、どうしたのかな?と心配になる飼い主が多いと思います。
初めて犬が震えるところを見た飼い主さんの中には、焦ったり驚いたりしてしまう人も少なくないのではないでしょうか。
犬の震えには、必ず何らかの原因があります。「犬が震えるのは単に寒いだけ」だと思い込んでいる飼い主もいるかもしれませんが、さまざまな病気が原因になっていることも考えられます。
大切な愛犬の健康を守るためにも、犬が震える理由とその対処法を知っておきましょう。
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犬が震える理由
犬が震えるのは、外界からの影響や体の不調、精神的なものなど、さまざまな原因があります。
まずは、犬が震える主な理由を見ていきましょう。
寒さを感じている
全身を被毛に覆われている犬は、寒さに強いと思われることもありますが、実は犬も寒さを感じて震えることがあります。私たち人間も冬などに寒さを感じると、体がブルブルと震えることがありますよね。これは、冷え切った体を温めるための生理現象で、骨格筋と呼ばれる骨格を動かす筋肉が小刻みに収縮していることで起こっています。
寒さによる犬の震えもこれと同じです。寒さによって体温が低下していくと、最悪の場合、命にも関わるため、震えることで体温を上げようとしているのです。
人間にも寒がりの人と暑がりの人がいるように、犬にも個体差があり、寒さの感じ方は異なりますが、一般的には、次のような犬が寒さに弱いと言われています。
・子犬
・シニア犬
・小型犬
・耳が大きい犬
・室内犬
・シングルコート
・シニア犬
・小型犬
・耳が大きい犬
・室内犬
・シングルコート
また、寒さで震えている場合は、震えることの他に以下のような行動が見られる場合があります。
・小さく丸まっている
・温かいところから離れようとしない
・人や毛布など少しでも温かいものに近づく
・家の中では震えないのに外に出ると震える
・温かいところから離れようとしない
・人や毛布など少しでも温かいものに近づく
・家の中では震えないのに外に出ると震える
寒さによる震えは、命の危機を知らせるサイン。後述する方法で体を温めてあげましょう。
病気療養中または病後
子犬やシニア犬、病気療養中や病後の犬が寒さに弱いのは、体温調節機能がうまく働かないから。その分、低体温症になりやすいので注意が必要です。小型犬は特に、床や地面に近いところで生活しているうえ、体が小さいことで体温の維持が難しく、チワワのように耳が大きな犬は、熱の発散量が多い分、体温が下がりやすいです。
シングルコートの犬や日ごろから温かい室内で生活している犬も寒さに弱い傾向があります。
- 【シングルコートとダブルコートの違い】
犬の被毛は、オーバーコートと呼ばれる皮膚を保護する役割と持つ硬くて太い上毛とアンダーコートと呼ばれる防寒の役割を果たす柔らかく綿毛のような下毛があります。
シングルコートとは、アンダーコートがほんの僅かしかないタイプで、ダブルコートはオーバーコートとアンダーコートの二重構造になったタイプです。
ストレスや恐怖を感じている
犬の震えは、ストレスや恐怖、警戒心など、精神的なことが理由になっていることもあります。犬は言葉を話せないので、つい見過ごしがちですが、実は私たちの想像以上にストレスを感じやすい生き物。知らない場所やトラックの走行音、雷や工事などの大きな音、過去に嫌なことがあった場所などに対して恐怖やストレスを感じ、それが震えとなって現れることがあります。
これらは、犬の性格によるところが大きいので、日ごろから愛犬をよく観察して、どんな性格なのか把握しておくと良いですね。
また、シニア期に入った犬は、不安や恐怖が強くなる傾向があるので、年齢的な部分も考慮することもお忘れなく。
トイレを我慢している
人間もトイレを我慢し過ぎると震えることがありますが、同じように犬もトイレを我慢し過ぎることで震えることがあります。これは、しつけがよくできている犬に多く、おしりをすぼめるように震えることが特徴です。そのほかに、愛犬が次のような状況に置かれている場合には、トイレを我慢していることが考えられます。
・散歩中にしかトイレをしない
・犬のトイレが汚れている
・犬のトイレの場所が寒いまたは暑い
・犬のトイレの近くに普段見たことがないものが置いてある
・犬のトイレが汚れている
・犬のトイレの場所が寒いまたは暑い
・犬のトイレの近くに普段見たことがないものが置いてある
どこかに痛みが生じている
足腰が痛かったり、けがをしていたり、お腹などに痛みがある場合も犬の震えの原因になります。いつもならリラックスしているはずの状況で震えている場合には、痛みが原因になっているかもしれません。
震えのほかに、次のような状態が見られる場合は、どこかに痛みが生じていることを疑いましょう。
・散歩を嫌がる
・歩こうとしない
・ご飯を食べない
・触ろうとすると怒る
・歩こうとしない
・ご飯を食べない
・触ろうとすると怒る
何かしらの中毒症状
犬は、私たちが見ていないところでさまざまなものを口にしていることがあります。それが犬にとって有害な場合は、中毒症状から体が震えることがあります。犬にとっての有害なものは、チョコレートや玉ねぎ、ぶどうなどの食品だけでなく、毒性のある植物や農薬などが原因となることもあります。
震えのほかに以下のような症状が見られた場合には、中毒症状が疑われます。
・よだれを垂らす
・下痢や嘔吐がある
・けいれんを起こす
・泡を吹く
・下痢や嘔吐がある
・けいれんを起こす
・泡を吹く
命にも関わるため、焦らず迅速な対応をしましょう。
血糖値が下がっている
何らかの理由で長時間ご飯を食べなかったり、愛犬の食事量と運動量のバランスが崩れていたりすると、低血糖を起こし、震えることがあります。長時間ほとんど食べていない、与えるご飯が少ない割に運動量が多すぎるといった場合には、低血糖を疑ってみましょう。
チワワやトイプードルなどの小型犬の子犬は特に、低血糖を起こしやすいので注意が必要です。
筋力の低下
歳を重ねたシニア犬が立ち止まっているときに足が震えている場合は、筋力の低下が原因かもしれません。人間と同じように、犬も歳を重ねることでどんどん筋力が低下していきます。すると、いつしか自分の体をうまく支えることができなくなり、足が震える事があります。
筋力の低下は、太ももの筋肉が痩せて薄くなっているので、触れば分かります。筋力の低下は、後ろ足から始まることが多いので、後ろ足の太ももを触って確かめてみましょう。
病気が隠れている
犬の震えは、病気が原因で起こることもあります。考えられる主な疾患は次のとおりです。 ・脳や神経の異常
・内分泌の異常
・尿毒症
・熱中症
・ジステンパー
・てんかん
・破傷風
・狂犬病
・低体温症
・内分泌の異常
・尿毒症
・熱中症
・ジステンパー
・てんかん
・破傷風
・狂犬病
・低体温症
また、震えだと思っていたら、実はけいれんだったということもあります。
異常なほど激しく震えていたり、急に倒れて手足を伸ばしたように体を震わせていたりする場合には、誰の目にもそれがけいれんだと分かりますが、軽度のけいれんは震えと区別しにくいので注意が必要です。
犬が震えているときの理由別対処法
犬の震える理由が分かったら、それに合わせた対処をすることが大切です。ここでは、犬の震えの原因に合わせた対処法を見ていきましょう。寒さが原因の場合
犬が寒さを感じていると、いつもよりも水の摂取量が減り、泌尿器系の病気のリスクが高まったり、下痢を引き起こしたりすることがあります。犬にとって寒さはストレスになります。寿命が短くなってしまうこともあるので、次のような寒さ対策をしましょう。
・室温を上げる
・動きやすいを着せる
・ペットヒーターを使う
・動きやすいを着せる
・ペットヒーターを使う
寒い冬は、エアコンで部屋を暖めている人が多いですよね。でも、エアコンの場合は、どうしても床付近の温度が低くなる傾向があります。
人間に合わせた設定では、愛犬が温かさを感じないということもあるので、犬が生活している床付近を温めるためにもサーキュレーターなどを使って部屋の空気を循環させる、エアコンの風向きを変える、床付近の温度を基準とした温度設定にするなどの工夫が必要です。
また、ストーブやヒーターを使う場合には、火傷などの危険を回避するためにもストーブガードを使いましょう。
飼い主の中には、寒がる犬をこたつに入れる人がいますが、これは危険です。
こたつからの出口が分からなくなり熱中症を引き起こすことがあるので、暖房器具を使う場合にはペット専用のものを使うのが基本です。
外で飼育している場合には、寒い季節だけ玄関先に入れる、段ボールやナイロンシートなどで犬小屋を囲う、犬小屋に断熱材を張るなどして、冷たい風が入り込まないような工夫をしてあげましょう。
ただし、寒さ対策をし過ぎると、逆に暑さを感じることがあるので過剰な対策には注意が必要です。
ストレスや恐怖を感じている場合
声をかけながら優しくなでる、抱っこするなどして、少しでもストレスや恐怖が和らぐよう安心させてあげましょう。トイレを我慢している場合
外でしかトイレをしない場合には、散歩などに連れ出してあげましょう。外出先でトイレを我慢している場合には、排泄をしても問題ない場所へ連れていくことが必要になります。トイレの環境が良くないことが原因となっている場合には、トイレの環境を見直し、整えてあげることも大切です。
病院で診察を受けた方が良い犬の震え
犬の震えの原因として、次のようなものが考えられる場合には、できるだけ早く動物病院を受診することが必要になります。・痛みなどで苦しそうな様子の場合
・中毒症状が疑われる場合
・病気が疑われる場合
・低血糖を起こしている場合
・中毒症状が疑われる場合
・病気が疑われる場合
・低血糖を起こしている場合
動物病院を受診するときには、次のようなものがあると診察に役立ちます。少しでも的確な診断をしてもらうためにも、可能であれば持って行きましょう。
・下痢や嘔吐がある場合→排泄物や嘔吐物
・けいれんと区別がつかない場合やけいれんしている場合→震えている様子を映した動画
・けいれんと区別がつかない場合やけいれんしている場合→震えている様子を映した動画
緊急を要する場合や動物病院まで時間がかかるという場合には、動物病院に連絡して飼い主にもできる対応方法を指示してもらうと安心です。
日ごろからできる犬の震え予防
日ごろからどれだけ気をつけていても、犬の震えの原因となることすべてを完全に取り除くことはできませんが、ある程度防ぐことは可能です。最後に、日ごろからできる犬の震え予防をチェックしておきましょう。寒さ対策
犬種による違いや個体差もありますが、犬が快適に過ごせる室温は、18~22度だと言われています。愛犬の様子を見ながら、愛犬が快適に過ごせる室温を確かめておきましょう。
冷たい床で寝る、いつもより水の摂取量が多い、はぁはぁと舌を出して呼吸する様子が見られる場合は暖め過ぎのサインです。
寒い時期の散歩は、日中のできるだけ温かい時間帯にする、散歩のときは服を着せるなどの対策もおすすめです。
筋力を低下させない
歳を重ねることで筋力が低下することを避けることはできませんが、緩やかにすることはできます。少しでも筋力を保てるよう、若いうちから毎日の運動を欠かさないようにしましょう。トイレのタイミングを把握しておく
犬は、1歳を過ぎたころからトイレの習慣が決まってきます。日ごろから愛犬をよく観察して、どんなタイミングでトイレに行くのか、1日に何回トイレに行くのかを把握しておきましょう。日ごろからよく観察することがカギ!
犬が震える理由は実にさまざまです。寒くて震えているだけだと思ったら、病気が隠されていたなんてこともあるので、適切な対処をするためにも、震えている理由を決めつけないことが大切です。些細な変化に気づくためにも、日ごろから愛犬をよく観察しておきましょう。
特に、震え以外の症状がある場合は要注意です。安易な素人判断で原因を決めつけてしまうと、取り返しのつかない事態に陥ってしまうこともあるので、いつもと違うなと思ったら、早急に動物病院を受診しましょう。
このとき、原因を決めつけて問診に答えてしまうと、大切なことを見落としてしまうことがあるので、震えが起こったときの状況や愛犬の状態を客観的に伝えることが大切です。
文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。
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