2017年11月4日
【専門家監修】引っ越しが犬に与える影響と対策方法
監修にご協力いただきました!
中井真澄先生
Waggy Smile 代表
1964年生まれ。中央大学卒業後、中学校教諭として4年間従事。
1996年に日本訓練士養成学校に入学。JKC公認訓練士及び日本警察犬協会公認訓練士の資格を修得。訓練所勤務を経て、都内動物病院内で、ドッグスクールの専属トレーナーとして勤務。
2011年6月から半年間、Londonでの語学留学を終えて帰国。帰国後『Waggy Smile』を立ち上げる。
引っ越しをした場合に、愛犬が問題と映る行動(トイレの失敗や吠え)を始める事があります。
しかし、社会化馴致が正しく出来ている犬は、引っ越しや海外移住になっても、直ぐに順応する事が出来るので大きな問題にはなりません。
そこで今回は、引っ越しが犬に与える影響や、行動の変化、新居に慣れさせる為に必要な対策などを紹介します。
引っ越しの予定がある方や、引っ越しされて間もない方はご参考ください。
もくじ [非表示]
引っ越しが犬に与える影響
住み慣れた場所から新しい土地に引っ越しをする事情や理由を、愛犬が理解する事は難しく、心の準備が出来ない状態で大きな変化にさらされる事になります。
引っ越しの際の移動にもストレスを感じ、新しい住環境に順応するまでストレス状態が続きます。
また、飼い主側も気忙しく、ちょっとした事でイライラしたり落ち着かない気分が続くと、犬は飼い主の心理的変化を察してストレスを感じてしまう事があります。
ストレスのサインや行動
この事から、引っ越しが犬に与える影響として以下のようなものが挙げられます。
・よく吠えるようになる
・寝付きが悪くなる
・食欲不振・下痢などをする
・トイレを失敗する
・お留守番ができなくなる
・寝付きが悪くなる
・食欲不振・下痢などをする
・トイレを失敗する
・お留守番ができなくなる
引っ越しが与える影響の対処法
引っ越しが犬に与える影響への対処法についてご紹介します。吠える場合の対策
吠える原因を知る
愛犬がよく吠えるようになった場合、要求吠えと警戒吠えで対策が変わります。何かを要求しているとはっきり分かる場合は要求吠えになり、窓の外を見て吠える場合は警戒吠えに当たります。
要求吠えの場合
愛犬が吠えるたびに飼い主が反応することで、吠えれば構ってもらえると学習してしまった場合は、吠えている時に反応するのではなく、吠えていない時に犬とのコミュニケーションを取ったり遊んだりする事で、愛犬の要求を満たしてあげるようにしましょう。ただし、要求吠えがすでに習慣になっている場合は、なかなか改善されずに、新しい引っ越し先での近隣住民の方々とのトラブルにもなるので、行動修正のトレーニングをプロに依頼するなどの対策を取りましょう。
警戒吠えの場合
警戒吠えの場合は、引越しをした事で環境が変わり、今まで無かった刺激に対して、警戒して吠えるということがあります。まずは何に警戒して吠えているのかを確認して、その刺激に対して反応しないように環境のマネージを行う、気を紛らわせるような条件付けする等、専門的な対策が必要になる場合もあります。
要求吠えも警戒吠えも、吠えている犬にとって、その状態がストレスなるので、早目に改善できるようにしましょう。
寝付きが悪くなる場合の対策
基本的には子犬を迎えた時と同じですが、以下の様なことに注意してください。運動不足の解消
引っ越した場合であっても、運動不足は犬のストレスに繋がります。体調不良などの理由がない場合は散歩に連れていってあげるようにしてください。また、家の中でおもちゃを使って遊ぶ事で新しい環境に慣れさせましょう。
愛情不足の解消
今までよりも傍にいて話かけてあげるようにしてください。愛犬が傍に居る状態でリラックスさせ、寝かしつけてあげましょう。住環境の不備について見直す
犬だけの安全なスペースを用意する事が重要です。引っ越し先にも同様にクレートを用意してあげてください。クレートに入れた状況で飼い主の寝室に置く、クレートの中で寝ている犬が居る部屋で飼い主が一緒に寝るようにしましょう。
食欲不振になった場合の対策
食欲不振になった場合の対処法についてご紹介します。食欲不振の理由を知る
まずは食欲不振の原因が心理的なものか、体調異常によるかの把握が必要です。食欲不振の状態が一過性で直ぐに戻るのか、続くのかによって対策が変わります。
心理的なものが原因の場合
以前から与えているドッグフードから変えないように注意しましょう。ドッグフードは水分を加えても問題ないので、食欲を増加させる為に、軽くお湯をかけて温めてあげる事で匂いを強くするのもいいでしょう。
体調異常が原因の場合
体調異常が原因の場合は、食欲不振の他にも症状が見られる場合が多くなります。他にも体調異常の症状が見られる場合は、獣医師に診察してもらいましょう。
判断が難しい場合
こちらも同様に、迷わず獣医師に診察してもらうようにしてください。子犬やシニア犬は要注意
子犬やシニア犬で食欲不振、下痢が続くと、もともと体力的にも弱いので、大事に至ることもあるので直ぐに対応処置が必要になります。健康な成犬であれば、一食二食を抜いた状態でも大きな支障は出ませんが、体調異常がないか十分に注意しましょう。
トイレを失敗する場合の対策
子犬の頃にトイレトレーニングをした時と同様に、トイレを失敗した際に怒らないように注意してください。引っ越しをした後に、トイレを失敗する犬は多くいます。以前と同じように根気よくトイレトレーニングを始めてください。
新居に慣れさせる為のアドバイス
次に、新居に慣れさせる方法についてご紹介します。匂い
引っ越しに合わせて、家具などを新調する方が多いのではないでしょうか。犬にとって匂いが大事なことをご存知の飼い主も多いと思います。
以前から使用している犬用のタオルや毛布、オモチャ、キャリーバッグやサークルだけでなく可能な限り、家具なども以前のものを使用してあげるようにしましょう。
視界
ケージなど安全なエリアを作ってあげて、その中に以前から使用していたものなどを入れてあげてください。サークルであれば、毛布などをかけて視界に入る情報を減らして暗くしてあげるといいでしょう。
テリトリーへの警戒
新居に慣れるまでの間は、以前よりも長時間一緒に居てあげるようにして声をかけてあげるようにして、普段通り遊んであげる等、しつけ以外の部分は変化がないように接してあげるようにしましょう。引っ越し先への移動
引っ越しする際には愛犬を運ぶ必要があります。車、電車、飛行機、船などの手段がありますが、どの乗り物であっても、可能な限り休憩を取る、飲み物をあげて水分補給などをしてあげる必要があります。
それぞれの移動時の注意点が異なります。
新居での住所登録など
転出届&転入届と鑑札
転出届を旧住所が管轄する役所で用意します。引っ越し後に、転出先で交付された転入先の役所で交付された鑑札を持って、住所登録の変更手続きを行ってください。
動物病院
また、以前の動物病院に通うことが難しい場合は、事前に評判の良い動物病院などを調べておくようにしましょう。以前の動物病院の獣医師の方に、評判の良い獣医師をご存知か尋ねるのもいいでしょう。
まとめ
引っ越しだけではなく、災害時の変化などでも住居を移動する場合があります。社会化馴致を正しく行えていなかった場合、環境の変化によって、犬の問題行動があぶり出される事があります。
困る前に、問題が起きる前に、社会化馴致やトレーニングが犬との幸せなライフスタイルに不可欠です。
飼い主にとって引っ越し前後が多忙になりますが、愛犬にとっては引っ越しの為の移動と引っ越し後の生活が多忙な状態になっています。
トイレを失敗した場合や、夜に吠える場合はくれぐれも怒らないように注意してあげてください。
文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。
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