2018年2月24日

断尾とは?犬種によって尻尾がない理由

断尾とは、犬の尻尾を切り落とすことで、断尾をすることがスタンダードになっている犬種も存在します。

断尾の目的は様々ありましたが、現在はほとんど不用になっているため厳しく制限をする国も誕生しています。

一方で、犬のスタンダードを守るために必要だとする国も存在し、議論が分かれている行為でもあります。

断尾の歴史

断尾されている犬 断尾は、狂犬病の予防などを目的として、行っていた説があります。

狂犬病は現代医学でも治療不可能な病気であり、予防することがもっと重要になっています。

犬は狩猟のパートナーとなることが多く、傷を負うことも多くありました。

傷口から狂犬病などの病気に感染するリスクを減らすために、あらかじめ尻尾を落としてしまう断尾が習慣化したといわれています。

また、牧羊犬の場合は牛や馬に尻尾が踏まれるリスクを減らすために断尾が行われていたとされています。

18世紀のイギリスでは断尾を行っていない犬に課税がされるなど、いかに断尾が大切だと認識されていたかがわかります。

現在は、法律が見直されていて、断尾をしていないからといって課税されるようなことはなくなっています。

断尾の目的

断尾をされていない犬 断尾はもともと病気の予防やケガの予防のために行われていました。

また、過去には断尾をすることで運動能力が高くなるという説がありましたが、現在は否定されています。

そのため、ペットとしての地位を確立した犬であれば職業目的の断尾をする必要がなく、不要という意見が出ています。

ただし、犬種として断尾が定着している犬も多く、歴史上のスタンダードを守るために断尾を行っているケースが残っています。

尻尾は肛門に近く、残すことが病気の理由になる、不衛生であるという指摘もあります。

しかし、断尾を否定する動物愛護団体も多く、意見が分かれる原因の一つになっています。

現在では国によって断尾に対する対応や認識が分かれていて、欧州では断尾に対する規制が強くなっています。

断尾は犬に負担をかけるものであり、必要性が認められない場合はするべきではないという見解です。

アメリカで犬のスタンダードの基準を定めるアメリカン・ケンネルクラブ(AKC)では断尾は健康への負担などが少なく、犬種の歴史を保つために容認できる範囲だと主張しています。

日本はアメリカ基準に準拠していて、明確に断尾に反対していないのが特徴です。


断尾の方法

飛びはねる犬 断尾の方法は、結紮法(けっさつほう)と切断法に分けられます。

結紮法は子犬が幼いうちにゴムバンドなどで尻尾をきつく縛り、血流を止めて尻尾を壊死させて落とす方法です。

生後間もない犬は痛覚が発達しておらず、痛みを感じないと言われています。

麻酔をかけてしまうと逆にリスクになるため、ブリーダーなどが独自に行うケースが多くなります。

切断法は外科的に尻尾を切断するのが特長で、ある程度成長してから全身麻酔を行って手術するのが特長です。

獣医師が手術を行い、しっかりと衛生管理されているのが特徴です。

断尾が犬に与える影響

尻尾が短い犬 尻尾は犬が体のバランスをとるために役立つという説があり、断尾をすると運動能力が落ちることがあるといわれています。

尻尾は平衡感覚を保つために重要な役割を果たしているというのが理由になります。

また、尻尾は感情表現を行う上で重要な役割も果たしています。

尻尾があれば、喜んでいるのか悲しんでいるのか非常にわかりやすくなります。

犬同士のコミュニケーションにもマイナス影響を与えるといわれています。

衛生上プラスになるケースがあるのは前述のとおりで、議論が分かれる部分でもあります。

まとめ

尻尾がある犬とない犬 断尾は伝統的に行われてきましたが、見直す動きも出てきています。

メリットとデメリットが存在し、デメリットが勝るという意見もあります。

また、メリットがあるという意見もあり、どちらが正しいかは基準にする情報によって異なります。

日本においては通常断尾される犬も、断尾をしないという選択肢があり、飼い主の考え方によって評価が分かれる部分です。

ただし、ドッグショーでは断尾が前提になることがあります。

断尾に限りませんが、飼い主の一人一人が意識をして課題に取り組んでいく姿勢が重要です。

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文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。


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