2018年4月26日

高齢者が犬を飼う時の注意点は「犬の将来」と「具体的な対策法」

この記事へ辿りついた方は「高齢である自分が犬をひきとって大丈夫か悩んでいる」「愛犬が路頭に迷わないか、ふと不安に駆られた」

またはこうした悩みを持つ人が周囲にいる、という方かと思います。

実際、高齢化社会が進むにつれ、ペットをやむを得ない事情で手放す人が増えています。

では、具体的にどのような対策をしておくべきなのでしょうか?

まずは現状を知ろう「国内の高齢者は人口の4分の1を超えている」

老夫婦に抱かれたダックス

高齢化は今後も進み続ける

日本は超高齢化社会に足を踏み入れつつあり、2017年の統計では国民の27.7%が65歳以上の高齢者になっています。

人口の4分の1以上が高齢者になる計算になり、少子化の影響から今後も比率が高まると予測されています。

健康的で自立した生活を送る高齢者が多い一方で、怪我などが原因で介護が必要になり、ペットを手放さざるを得ない人も増えているのです。

高齢者自体の比率が増えているため、今後もペットの引取りなどは増える可能性が高くなっています。

保護団体もすべてをサポートできるわけではない

注意したいのは、高齢者からの引取りを受け付けない団体も存在すると言うことです。犬を中心とした保護団体は、収益源を主に寄附などでまかなっています。

制限を加えなければ活動自体が困難になるケースが多く、無限に引き受けられるわけではないのです。

心身の健康を保つためや、パートナーとして犬を飼うという選択肢は尊重されるべきですが、自分に何かあった時の保険は自分で用意する必要があるのです。

高齢者ならではの愛犬への備え、配慮

老夫婦と若い女性に囲まれているダックスフンド

お迎えを検討している方は「10年後の自分」を想像しよう

基本となるのが10年後、15年後を考えることです。

犬の平均寿命は10年を超えていて、10歳を過ぎても散歩が必要なケースが多くなっています。

小型犬であれば室内で飼育できるケースもありますが、定期的な散歩は犬の健康を守るために重要な要素になります。

10年後に自分が散歩についていける体力を保てるか、犬がストレスをためないだけの環境を作れるかが問われるのです。

また、犬自体の介護が必要になる場合もあります。中型犬、大型犬の場合は、介護の際に犬を持ち運ぶ体力も必要になるからです。

15年後に犬の介護のために時間と体力を使えるかどうかを考え、無理だと感じた場合は飼わない方が賢明な場合も出てきます。

引き取り手を見つけ、更に「保証」を用意すること

自分に万が一のことがあった場合のために、引き取り手を確保することも大切です。

同年代の友人であれば健康を害して引き取りができなくなる可能性もあるため、あらかじめ信頼して預けられる若い人間を探しておくのが重要になります。

実際問題、親しい人間であったとしても、自分の思うような環境を愛犬に与えてくれるか否かまでは確約できません。

当時は確約してくれても、いざその時が来るまでその人が住環境も心境も変わらないとは言い切れません。

「誰かに引き取ってもらう」という選択肢は想像以上に危ういものです。自分に何かあった時のために、ペットへお金を残しておく方法も知っておくべきでしょう。

参考までにペット信託についての記事をリンクしておきます。

【行政書士が解説】Q「もしもに備えて、ペットへ財産を遺す方法はありますか?」




「ペットを飼える有料老人ホーム」という選択肢も

車椅子の男性に抱かれたダックスフンド 犬の引き取り手を見つけるのが難しい一方で、犬と離れたくない高齢者向けの施設も数多く誕生しています。

特に愛犬と一緒に過ごせる介護施設や老人ホームが人気で、第二の人生を歩むために早めに施設に入居する人もいる程です。

24時間体制でナースコールが利用できる施設も存在するため、健康に不安がある人でも利用しやすくなっています。

ペットの散歩を代行するサービスも存在します。時間や日程を決めて散歩に連れて行ってもらえば、体が不自由な人でも犬のストレスを和らげ、心地よい時間をすごすことができます。

送迎つきのトリミングサービスや、動物病院へ連れて行ってくれるサービスも存在します。

犬の生活を支援する代行サービスは充実しているため、うまく取り入れればより幸せな老後をすごせるのです。

こちらを見つめるダックスフンド 犬を飼うときは、自分の健康状態と犬の寿命の両方を考えなければならず、どちらかの視点が欠けてしまえば不幸な結末につながることがあります。

命を預かるからこそ、しっかりと考えることが大切になっています。

犬の世話を代行してくれるサービスは増えているため、自分の体力や経済力に合わせながら、調整する事も大切です。

この記事が気に入ったら
Qpetに「いいね!」しよう

文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。


合わせて読みたい


  • もしもマガジン Qpet協力ドクターの紹介
  • PAGE TOP