2017年7月11日

スコティッシュ・テリアってどんな犬?その性格や歴史

スコティッシュ・テリアという名前を聞いて姿形が思い浮かばなくても、ウィスキーのラベルでおなじみの犬と聞けばピンとくるのでは?

ルーズベルト大統領の愛犬として一緒に世界中を旅した犬であり、ディズニー映画の「わんわん物語」で紳士的なキャラクターを担ったこのスコティッシュ・テリアの魅力についてお話しします。

スコティッシュ・テリアの基礎知識

スコティッシュ・テリアの歴史

道端に座るスコティッシュ・テリア 「スコッティ」という愛称で知られるスコティッシュ・テリアですが、この犬種が現在のスコティッシュ・テリアとなるまでにはとても長い道のりがありました。

祖先犬はケアーン・テリアなどと同族のスコットランド土着のテリアだと考えられています。主にアナグマやカワウソの猟で活躍していた犬です。

ドッグショーに登場した19世紀の中頃は、まだ他のテリアと一緒くたにされる形で「スコティッシュ・テリア」と呼ばれていました。つまり「スコットランドのテリア」として出陳されていたわけです。

この状況に不満を持った各犬種の愛犬家たちによって、畜産家までをも巻き込んで、どの犬がスコティッシュ・テリアと冠するにふさわしいかという話し合いが行われました。

その結果、選ばれた犬が現在のスコティッシュ・テリアの直径のご先祖様です。

その後も長い時間をかけて選択交配を重ね、この犬種がイギリスのケネルクラブにスタンダードとして登録されたのは、半世紀以上後の1936年のことでした。

原産国のイギリスで議論が行われている間にアメリカに渡ったスコティッシュ・テリアはアメリカの愛好家たちの間で繁殖が進められました。

そして、第二次世界大戦後にフランクリン・ルーズベルト大統領の愛犬となったのをきっかけに、セオドア・ルーズベルト大統領、アイゼンハウアー、ロナウド・レーガン、ジョージ・ブッシュなど、アメリカ大統領の愛犬として世界的に注目されてきました。

この犬種の特徴として、いつの時代でも原産国のイギリスよりも、北米で愛されているという歴史が挙げられます。

ウォルト・ディズニーは映画「わんわん物語」の中で、この犬種を「思慮深く血統を大事にする犬」として描き、世界中にスコティッシュ・テリアの知的で頑固で優しいイメージを広めました。

日本に持ち込まれたのは戦前と言われており、日本では主に上流階級のお座敷犬として可愛がられていたようです。

スコティッシュ・テリアの特徴

散歩中のスコティッシュ・テリア 小柄ですが頑丈なボディに短い四肢を持っています。被毛は針金状の固い上毛と柔らかく密生した下毛のダブルコートです。

どんな風雨にも負けず、どんな状況でも狩りができる優れた狩猟犬だった歴史を物語っています。

長めの頭部に眉毛と頬ひげのような飾り毛があるのが特徴で、この飾り毛から老成した哲学者のような独特の雰囲気を感じる方が多いと思います。

耳は先端が尖った立ち耳、しっぽはピンと直立しているか、少し曲がっています。

スコティッシュ・テリアのサイズ

スコティッシュ・テリアの体高の平均は25cmでメスはオスよりもやや小さい個体が多いようです。体重は8~10kg程度が理想とされています。

スコティッシュ・テリアのカラー

並んで座る二匹のスコティッシュ・テリア スコティッシュ・テリアのカラーは最もメジャーなブラック、淡い小麦色のウイートン、ブリンドルがあります。

スコティッシュ・テリアの性格は?

机の下から覗いているスコティッシュ・テリア スコッティの性格は、典型的な「テリア気質」です。飼い主や家族に対してはとても従順ですが、警戒心と独立心が強く、とても頑固。賢く利口でプライドがとても高いのが特徴です。

スコティッシュ・テリアをお迎えしようと考えている方は、このテリア気質をよく理解した上でお迎えすることをお勧めします。

小さい体でちょこちょこ歩く姿がとても愛らしいのに、性格が頑固で気が強いギャップがこの犬種の一つの魅力です。

前述しましたが、スコティッシュ・テリアは自尊心が強く、頑固で負けず嫌いなので、しつけは簡単ではありません。

お互いの信頼関係を築きながら、根気よく躾ける必要があります。吠えて噛むことが仕事だった歴史があるので、吠えグセや噛み癖がつきやすい犬種です。


スコティッシュ・テリアの平均寿命と長生きのヒント

スコティッシュ・テリアの平均寿命

道端を歩くスコティッシュ・テリア スコティッシュ・テリアの寿命は13~14年と言われています。これは全犬種の平均より少し短くなっていますが、スコティッシュ・テリアがかかりやすい病気と関係しています。

そのため健康な個体であれば、もう少し長く一緒に過ごすことができます。

スコティッシュ・テリアがかかりやすい病気

スコティッシュ・テリア特有のかかりやすい病気に、尿系の病気があります。特にオスに多いと言われていますので、おしっこの状況については毎日しっかり確認するようにしましょう。

尿の量が少なくなった場合や、頻尿の症状が出た場合は命の危険もあるので、悩まずすぐに動物病院に連れていきましょう。

また、スコッティは遺伝性疾患であるフォン・ビルブランド病が起こりやすい犬種です。これは、怪我をした際に血が止まらなくなる病気です。

子犬の歯の生え変わり時期に血が止まりにくいといった症状がないかよく観察して、きになることがあればすぐに病院に連れていきましょう。

可能であれば、お迎えする際に数世代前までの病歴を確認するようにしましょう。

スコティッシュ・テリアを飼うときのポイント

スコティッシュ・テリアの日々のお手入れ

トリミング台に立っているスコティッシュ・テリア 長い被毛にはブラッシングがかかせません。週に2、3回はコームやピンブラシで梳かしてあげてください。

毛玉が発生すると見た目を損なうだけでなく、皮膚トラブルに発展する可能性があります。足の先ギリギリまで被毛があるので、お散歩の後などに汚れた場所がないかも確認し、清潔に保つように心がけてください。

スコティッシュ・テリアの運動量とお散歩は?

女の子とスコティッシュ・テリア 小型犬ですが、一日に必要な運動量が多めの犬種です。朝と夕方に2回、それぞれ30分程度のお散歩が必要です。

また、定期的に囲いのある広場などでたっぷり走り回らせてあげると喜びます。他の犬種と喧嘩になることがあるので飼い主は目を離さないようにしましょう。

猫やハムスターやフェレットなどの小動物と会わせる時も、ちょっかいを出したり傷つけたりしてしまうことがあるのでリードを離さないようにしましょう。

まとめ

飼い主の女の子と並んで座るスコティッシュ・テリア 歴代アメリカ大統領の愛犬として知られていたり、ディズニー映画の名脇役として登場したり、ウィスキーのボトルにデザインされたりとあらゆる場面で活躍しています。

スコティッシュ・テリアの一目見たら忘れられない印象的な魅力を身近で感じてみてはいかがでしょうか。

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文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。


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