2017年9月8日
【専門家が解説】子犬の正しい洗い方!お風呂の頻度や注意点とは?
監修にご協力いただきました!
氏原由佳理先生
トリマー
トリマー歴9年。愛玩動物飼養管理士1級。ホリスティックケア・カウンセラー。
動物の専門学校を卒業後、ペットショップ、動物病院でトリマーとして勤務。
現在は自宅でサロンを開業し「心地よいトリミング」をテーマに、犬の気持ちに寄り添った負担の少ないトリミングを実践中。ちょっと大きめトイプードルと暮らしてます。
子犬はとてもデリケートな生き物です。そのため、成犬と同じように洗っただけでも体調不良を起こしてしまうことがあります。
子犬をお風呂に入れる前に、洗い方や注意点、適切な頻度についてしっかりと確認しておきましょう。
もくじ [非表示]
子犬にとってお風呂・シャンプーとは
子犬は好奇心が旺盛で何にでも興味を示します。そのため体が汚れやすく、臭いが出やすいのもこの時期ならではでしょう。気になる臭いを解消するために子犬をお風呂に入れたくなるのは当然です。
しかし、小さな子犬は体力や病気に対する抵抗力がありません。そのため、あまりにも早い時期からお風呂に入れてしまうと、それが原因で体調を崩してしまうことがあります。
子犬のシャンプーは生後3ヶ月を過ぎてから
子犬のシャンプーは生後 3 ヶ月~ 4 ヶ月頃から始めるようにしてください。混合ワクチンが打ち終わるころが目安になります。ただし 3 ヶ月を過ぎているからと言って、初めて子犬を自宅に連れて帰った日にお風呂に入れることは避けましょう。突然環境が変わったことで子犬はストレスを感じています。新しい環境に慣れるまでシャンプーは控えてください。
また、自己流のやり方でお風呂に入れてしまうと、思わぬ体調不良を引き起こし、お風呂嫌いの原因を作ってしまう可能性があります。子犬のシャンプーの手順や注意点を守って、安全な方法でお風呂に入れてあげましょう。
子犬をお風呂に入れる際の手順
■STEP1 体調チェック
子犬をお風呂に入れる日は体調をチェックしましょう。いつもより食欲がなく、大人しければ体調不良の可能性があります。また抵抗力の弱い子犬にとって下痢は危険な症状です。もしも子犬が下痢をしている場合は、シャンプーを中止して動物病院に連れて行きましょう。
■STEP2 ブラッシング
子犬をシャンプーする前にブラッシングを行いましょう。体の毛がもつれたままお風呂に入れてしまうと余計に絡まってほどけなくなります。特に子犬の時期にもつれを作ってしまうと、その後のトリミング嫌いの原因にもなります。
スリッカーブラシを使って念入りにブラッシングをしておきましょう。
ブラッシングが終わったらコームで引っかかる部分がないかを確認します。少しでも引っかかる部分があればもつれが残っています。
もう一度ブラッシングに戻りましょう。
■STEP3 シャンプー
子犬の毛にもつれがないことを確認したらシャンプーを行います。子犬は成犬に比べて体力がありません。あらかじめシャンプーにかける時間を決めておきましょう。できれば 10 分以内に洗い終わるようにしてください。
目安となるようタイマーを 10 分後にセットしておくと良いでしょう。
子犬は初めて行うシャンプーにビックリしてしまいます。そのため、シャワーの水流は弱めにしておきましょう。
お尻から頭の方向にむかって少しずつ濡らしていきます。
もしも子犬の体が小さいのであれば、シャワーを使わずお湯をはった洗面器の中で洗ってあげても良いでしょう。
また、顔を濡らすときは鼻に水が入りやすいので注意してください。お湯を含ませたスポンジを使って濡らしてあげると良いでしょう。
子犬の体を全体的に濡らせたら、薄めたシャンプー剤で洗っていきます。
泡立てたシャンプーで、指の腹を使ってマッサージするように洗いましょう。子犬が汚しやすい部分は、お尻、足の先、おしっこ周りです。体よりも優先的に洗っておきましょう。
顔を洗うときは目の中にシャンプー剤を入れないよう気を付けてください。もしも目に入ってしまったら、すぐに洗い流しましょう。
全体的に洗い終わったら、体を濡らしたときの要領でシャンプー剤を流していきます。
■STEP4 リンス
子犬は成犬よりも皮膚がデリケートです。そのためリンスは必ずしておきましょう。子犬の毛や皮膚を乾燥から守ります。薄めたリンスを子犬の体全体にかけたら、すぐに流していきます。
このときヌルヌルが消えるまで完全に流してください。流し残しは皮膚病の原因になります。
■STEP5 ブロー
リンスが終わったら、タオルで子犬の体の水分を取っていきます。このときやり方によっては子犬が嫌がることがあります。ゴシゴシと力強くふくのではなく、優しく包み込むようにふいてあげてください。
タオルで水分を取ったら、ドライヤーを使いブラッシングをしながら乾かしていきます。ドライヤーを当てた部分をスリッカーブラシでブラッシングしてください。
しかし、子犬は初めて聞くドライヤーの音や風にビックリしてしまいます。様子を見るために、最初は犬の顔から遠いお尻から乾かし始めると良いでしょう。
ドライヤーの音に慣れたと思ったら、内臓を守るためにお腹を乾かしておきます。そのあと、後ろから前に向かって作業を進めましょう。顔を乾かすときにドライヤーの風で目を火傷することがあります。
ドライヤーは子犬の体から 30 ㎝ほど離し、顔の正面から風を当てないように気をつけましょう。
子犬をシャンプーするときの注意点
子犬用の低刺激シャンプーを使う
子犬の皮膚はデリケートです。そのため、犬用シャンプーの中でも「子犬用」と書かれたシャンプーを使いましょう。手早く行う
子犬のシャンプーは、作業全体を通して手早く行いましょう。時間をかけないことで子犬にかかる負担を減らすことができます。しかし子犬を洗うのが初めての人は、手早くできるのか不安でしょう。その場合はあらかじめ作業を分けておくと安心です。
たとえば、ブラッシングは前日までに済ませておく、お尻で固まったウンチはあらかじめ濡れタオルでふき取っておくなど、なるべくシャンプーにかかる時間を短縮できるよう工夫してみてください。
ブローする部屋は暖めておく
子犬は寒さへの抵抗力がありません。そのため体が濡れた状態が長時間続くと体温の低下で体調を崩してしまいます。体温の低下を防ぐために部屋の温度を温かくしておきましょう。ただし、あまりにも暑いと逆に体温が上がりすぎてしまいます。震えていないか、舌を出して暑がっていないかなど、子犬の状態をみて判断してください。
子犬のお風呂・シャンプーの頻度
子犬のお風呂、シャンプーの頻度は 1 ヶ月に 1 回くらいが目安です。汚れがひどい場合でも 20 日に 1 回程度に止めておきましょう。あまり頻繁に洗うと皮脂を取りすぎてしまい、肌が乾燥して皮膚トラブルの原因になります。
ただ、体が汚れやすいのも子犬の時期ならではです。前回のシャンプーから1ヶ月たたずに体が臭ってくることもあります。
子犬の臭いや体の汚れがどうしても気になるのであれば、部分的に洗う方法がおすすめです。
子犬は部分シャンプーで清潔を保つ
子犬の体にはとくに汚れやすい部分があります。たとえば排泄物がつきやすいお尻やお腹、排泄物を踏んで汚れた足回りなどです。そのため、お尻やお腹、足回りだけを部分的に洗ってあげると良いでしょう。部分シャンプーなら洗う範囲が限られているため、乾かす時間もあまりかかりません。
ゆえに時間が短縮されて、子犬にかかる負担を減らすことができます。
その他にも、水を使わないドライシャンプーがあります。ドライシャンプーには、粉状と泡状の2種類のタイプがあります。どちらも適量を手に取り、子犬の汚れた部分の毛にすり込みブラッシングをします。好みに応じて使いやすい方を選びましょう。
まとめ
「とにかく今すぐ洗いたい」「毎日お風呂に入れてあげたい」私たち人間はついついそんな風に思ってしまいがちです。しかし子犬は抵抗力が弱く、ちょっとしたことでも体調を崩してしまいます。
子犬をお風呂に入れる日は、必ず体調をチェックしなるべく手早く行いましょう。
文:氏原 由佳理
トリマー歴9年。愛玩動物飼養管理士1級。ホリスティックケア・カウンセラー。
動物の専門学校を卒業後、ペットショップ、動物病院でトリマーとして勤務。現在は自宅でサロンを開業し「心地よいトリミング」をテーマに、犬の気持ちに寄り添った負担の少ないトリミングを実践中。ちょっと大きめトイプードルと暮らしてます。
トリマー歴9年。愛玩動物飼養管理士1級。ホリスティックケア・カウンセラー。
動物の専門学校を卒業後、ペットショップ、動物病院でトリマーとして勤務。現在は自宅でサロンを開業し「心地よいトリミング」をテーマに、犬の気持ちに寄り添った負担の少ないトリミングを実践中。ちょっと大きめトイプードルと暮らしてます。
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