2018年1月4日

犬を飼う前に読んでほしい「犬を飼う飼い主の責任と心構え」について

ペットブームなどにより犬を購入すること自体の敷居が低くなり、犬を飼う家庭は増え続けています。

当然ながら、犬を迎えることは“命を預かること”なので、物を購入するのとはわけが違います。

今回は犬を飼う際に覚えておいて欲しい飼い主の責任についてお話します。

お迎えするか悩んでいる方の参考となれば幸いです。

犬が快適に暮らせる環境を作る責任

木陰に座るビーグル

犬を飼う責任1:生活環境の構築

まず愛犬には幸せに暮らしてもらいたいですよね。飼う場所の確保はもちろんのこと、食事や水などもしっかり管理して上げましょう。

食事は犬種や年齢に合ったものを与えるということも必要です。

犬を飼う責任2:健康管理

そして毎日状態を観察して異常がないかチェックすることも必要です。

病気の予防にもちゃんと取り組む必要があります。

狂犬病や感染病など感染すると周囲の人達にまで危険が及ぶ病気もあります。

予防法としてワクチンをしっかり摂取させてあげてください。

犬種によっては運動不足が直接的に健康問題にかかわってくる場合もありますので、その犬にあった距離の散歩をしっかりとしてあげましょう。

犬を飼う責任3:家族での役割

4人家族とその愛犬が芝生で遊ぶ様子 もし家族で犬を飼おうとしているならばこれらの世話を誰がどのように担当していくのかなどを決めておくということも重要です。

家族それぞれが責任を持って飼っていくことが必要になってきます。

「自分は犬の世話には関わらない」と断言する方がひとりでもいるのなら、もう一度お迎えすること自体を検討する必要があります。

「どうして?」と詰めるような話し合いではなく、中立的な視点で話し合いをしてください。

反対したり、世話を拒否するのには必ず理由があります。

それが感情(犬に興味がない、単純に面倒)であったとしても、ちゃんと真剣に聞いてください。

歓迎してくれない人がいるお家に迎えられた犬の気持ちを考えて、そうならないよう家族全体が協力する姿勢を見せる状態にしておくことも“未来の飼い主”の責任です。

それが出来ないようであれば、きっとお迎えした後にもっとたくさんの問題が出てきます。

そしてその問題を解決するための話し合いもしっかり行えない状態では、皆が辛い思いをするのではないでしょうか。

繁殖を制限する責任(避妊・去勢)

同じキャリーの中から顔を出しているチワワとポメラニアン

犬を飼う責任4:子犬が出来ると、想像以上に大変

繁殖をして増えすぎないように管理するのも、飼い主の責任のひとつです。

犬は一度の出産で複数頭の子犬を産む場合が多く、そうなった場合、全員の面倒を見れないこともあるでしょう。

その時子犬がどうなってしまうのか、考えてみてください。

そうならないために繁殖を制限することも飼い主に必要なことです。

不妊去勢手術をしてあげることで、望まれない繁殖をなくしたり、その器官の病気を予防することができます。

犬を飼う責任5:避妊・去勢手術について学ぶこと

一方で、避妊や去勢手術は犬の身体に負担をかけることもあり、それが絶対と言い切ることは専門家の見地からも難しいものです。

犬の将来を見据えて「するか」「しないか」の決断をすること、この選択肢に苦悩することも飼い主の“責任”と考えて下さい。

しない、と判断したら散歩やドッグラン中も気を配る必要があります。

する、と判断したなら手術前後のケアを徹底してください。

▼避妊手術のリスクなどについては、獣医師監修のもと、こちらで詳しく解説しております。

【獣医師監修】犬の避妊手術の方法と適正時期とは?





周囲への責任もあります(マナーやしつけ)

PCをつかっている女性と、それに吠えるチワワ

犬を飼う責任6:飼い主だけでなく、犬もマナーを理解する

犬が原因で周囲の人たちに不快な思いをさせてしまった場合も飼い主の責任になります。

放し飼いはもちろんのこと、鳴き声などの騒音にも注意を払わなくてはいけません。

犬を飼う場所は汚れていないか常に注意をし、臭いの問題にも気をつけましょう。

「最低限のマナーが守れる状況」「そしてそのマナーを犬に教えてあげられる余裕が自分にあるか」この2点は絶対に考えておいてください。

▼【子犬のしつけ】成長に合わせたTo Doリスト

【子犬のしつけ】成長に合わせたTo Doリスト



しつけは結果的に“自分達を守ってくれる”

家族のうち誰かがお家にいて、常に家で過ごさせるからしつけも最低限でよい、という考えはおすすめできません。

全犬種の平均寿命は13~15歳ほどで、その間に遠出をしたりトリミングに預けたりといった機会はかならず発生します。

社会化やしつけが成されていない場合、その選択肢はきっと狭まってしまいます。

また、犬の行動がきっかけで親しい人との関係がこじれるケースもあります。犬の社会化やしつけは、飼い主と犬が快適に暮らすための必須条件です。

マテやオスワリをはじめとしたコマンドや、リーダーウォークといったトレーニングが、犬を危険から守る手段になることも覚えておいてください。

最後まで飼い続けるという責任

二匹の愛犬と散歩している女性

10年後の自分を想像してみて下さい

動物愛護法でも「その命を終えるまで、適切に飼養することに努めなければならない」と定められています。

一度飼い始めたら最後まで責任を持つということです。

当たり前のようにも感じますが、「面倒になった」などの理由から飼育放棄してしまう人も実際に存在しています。

先ほども触れたように、犬の寿命は10年以上、長生きする犬だと20年近く生きることもあります。

それだけ先までしっかりと飼い続けることができるのか、飼う前に一度考えてみてください。

意志だけでは“責任を全うできる保証”はありません

車椅子に乗っている患者と、その愛犬 「犬を飼いたい」と思ってこの記事を読んでいる方は、きっと色々な事を既に考えてらっしゃると思います。

しかし、病気を患ったなど、意志に身体がついていかなくなるケースもあります。

飼い主の健康状態に限らず、所属する会社の都合などで引越しを強いられる状況になる場合も考えられます。

この場合、ペット可の賃貸などをおさえたりしなければいけませんし、今までのようにペットが受け入れられやすい環境かは実際にいってみるまでわかりません。

予測できない事態が訪れる可能性も含めて、終生まで世話をみることの大変さについて想像してみましょう。

特に単身者の方であれば、あなた以外に犬に対して同じ責任をもってくれる方がいるかを考えることも大切です。

飼い主の“もしも”に保証を設ける責任

花壇の中に座るジャックラッセルテリアの子犬 飼い主が責任をしっかり持っている方だったとしても、その人が入院や不慮の事故など“もしも”の事態に見舞われる可能性を考えておくべきです。

自分の身に何かが起きる、なんてことは誰も予想できません。予想できないからこそ、その備えをしておくことも飼い主の責任です。

「入院中に世話を見てくれる人はいるか?」「もしもの時に、愛犬の生活を保障してくれるものはあるか?」これは犬を迎える前に是非考えて頂きたい事です。

そして、仮にいたとしても口約束だけでは意味がないことを覚えておいてください。

数年後の約束相手が“本当に引き受けられる状況なのか”は、もちろん誰も保証してくれません。

▼参考として、ペット信託についての記事をリンクしておきます。

【行政書士が解説】Q「もしもに備えて、ペットへ財産を遺す方法はありますか?」



犬を飼うという選択は、飼い主の人生にとっても大きな意味をもつ出来事です。

愛犬との生活はとても楽しいものですが、楽しく生活していくためには相応の責任が伴います。

それが飼い主にとっても犬にとっても良い出会いになるよう、お迎えを検討している方は一度立ち止まって考えてみましょう。

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文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。


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