2018年4月5日

【ペット先進国?】ドイツと犬にまつわる歴史について

日本ではペットブームが広がる一方で、犬や猫の殺処分が問題になっていますが、日本と対照的に動物愛護で有名な国がドイツです。

ドイツでは200年前にアルバート・クナップ牧師が「動物は人間の所有物ではない」と訴え、虐待されている動物を保護する施設を作り、そこから動物愛護の考え方がドイツ人に根付いていきました。

ここでは、そんなドイツの犬に関する歴史についてご紹介します。

ドイツの動物保護施設「ティアハイム」

芝生の上の犬 ドイツと犬に関する歴史を語るにあたって欠かせないのが、動物保護施設「ティアハイム」です。

ティアハイムでは新しい家族が必要な動物たちの里親を探す活動を行っており、多くの動物たちがこの施設を通じて温かい家族に出会っています。

また残念ながら里親に恵まれなかった動物たちも、ティアハイムの中でスタッフたちに見守られながら将来を終えます。

ドイツには500以上のティアハイムが点在しています。

なかでもドイツの首都ベルリンにあるティアハイムは規模が大きく、その大きさは東京ドーム3個分に匹敵するそうです。

この施設では犬や猫はもちろんのこと、ウサギやラット、鳥、さらには爬虫類まで保護しています。収容されている動物の数は、年間で1.5万頭にも上ります。

驚くべきは、ティアハイムが市民からの寄付金によって運営されているということです。

ティアハイム・ベルリンには約1万人の人が寄付を行っており、寄付をした人は動物アドバイザーから直接アドバイスがもらえるなどの特典がもらえます。

それでも、これだけの寄付者を集めることは日本では難しいといわざるを得ないでしょう。

ベルリンのティアハイムが設立されたのは、1901年のことです。

設立は100年以上も前ですが、当時から今まで運営方法はさほど変わっていないようです。

ドイツで他の国より早く野良犬がいなくなったのは、ティアハイムがあったからだといえるでしょう。

1933年に「動物保護法」の制定

手を挙げる飼い主と犬
ナチスの時代には、動物愛護に関連する法律が制定されました。

1933年には「動物の虐待に関する法律」が施行され、残虐な虐待が禁止されました。

また同年に「動物保護法」が制定され、動物を苦しめた人には3年以下の懲役が科されました。

食用の鶏に無理やり食べさせることは禁止され、動物を使った生体実験は制限されました。

この時代にはドイツではすでに動物愛護の精神が広まっていたため、ナチスは動物愛護の法律を制定することで政治を有利に動かそうと考えたのだという意見もあります。

また、ナチスはこれらの法律を理由に多数のユダヤ人を逮捕および起訴しました。

動物を守るという内容の法律ではありますが、必ずしも動物のために制定されたものではなかったのかもしれません。

憲法でも定められている動物保護

芝生で舌を出す犬
すでに動物愛護が当たり前となっていたドイツでは、1974年に犬の保護に関する条例が定められました。

そして、2002年には国の憲法に動物保護に関する条項が加えられました。

日本の法律上は、動物は「物」として満たされます。

そのため、たとえ自分の大切なペットが殺されたとしても物損事故にしかなりません。

この法律の違いからも、日本とドイツの動物愛護の精神は大きく違うといえるでしょう。


まとめ

飼い主と犬 ドイツは「犬の殺処分ゼロ」として有名で、元気な犬が殺処分されるということはありません。

これも、昔からドイツ人の中に犬は大切にするものだという意識が根付いているからだといえるでしょう。

日本では殺処分の数は一時期に比べて減っていますが、それでも少ないとはいえません。

ドイツの動物愛護の歴史から学ぶことで、人間と犬がより良い形で共生できるようになるかもしれません。

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文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。


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