2017年9月7日

犬の「ダブルリード」って何?散歩する際のおすすめの利用術とは

犬の散歩をするときは、リードで繋いで出かける飼い主が多いと思います。

しかし、ふとした拍子に首輪やハーネスが抜けて、驚いた経験がある飼い主もいるのではないでしょうか。

ノーリード状態の犬は、いつ危険に巻き込まれてもおかしくありません。

このいったアクシデントを回避するために生み出されたのが「ダブルリード」です。

犬を守る「ダブルリード」とは?

ハーネスをつけているグレーハウンド ダブルリードとは、首輪とハーネスなどの二か所に、それぞれ1本ずつリードを付ける方法です。

多くの保護団体がダブルリードを採用しており、犬を守るために大きな役割を果たしています。

最近では団体だけでなく、飼い主も愛犬の命を守るためにダブルリードをする人が増えています。

犬を「ダブルリード」にするメリット

リードを着けたまま一匹で走っているラブラドールレトリーバー ダブルリードのメリットは、1本のリードが外れてしまった場合でも、もう1本のリードで愛犬をコントロール出来るところにあります。

思わぬハプニングによって愛犬が走り出してしまった場合、その先で何が起きてもおかしくはありません。

実はこうしたアクシデントは、決して珍しいことではありません。

リードが外れるという事態が想像できないという飼い主もいるかもしれませんが、理由としては、以下のような例が挙げられます。

首輪が外れる

首輪はハーネスよりもしつけやトレーニングに向いているという意見もあります。

擦れる面積が少なく、皮膚炎などのリスクが軽減される点が魅力です。

その反面、引っ張ったときには、首がしまることがデメリットとして挙げられます。

過去には、犬が興奮した際に引っ張りすぎて愛犬が気を失った、という例もあります。

しかし、首輪を少し緩めにつけていると首から抜けてしまう事があります。

これにより行方不明になる、という悲しい事故も多く発生しています。

特に、日本犬のような頭の形の場合は、首輪が外れてしまう事が多い傾向にあります。

ハーネスが外れる

リードに加わる力が分散することから、器官が弱い犬でも安全に使用できるのがハーネスの魅力です。

また、頭と首の太さの差が少ない犬でも抜ける心配がありません。首が締まると不憫といった理由で、首輪ではなくハーネスを選ぶ飼い主も多いようです。

しかし、外れないように見えるハーネスも抜けることがあります。

特に、コーギーやダックスフンド等、足の短い犬の場合は、少し身体をひねっただけでもハーネスが抜ける事があるので注意が必要です。

ナスカンが取れる

ナスカンとは、リードと首輪、あるいはハーネスをつなぐ金具です。ナスカンには鉄砲型ナスカンとレバー型ナスカンの2種類があり、鉄砲型ナスカンが市場の大半を占めています。しかし、突起を下方向に下げることで外れるので絶対に安全とは言えません。

犬が首を振っただけで取れた、子犬を抱き上げただけで外れた、という事例もあるようです。

安全性という観点では、鉄砲型ナスカンよりもレバー型ナスカンの方が優れているという意見もあります。

しかし、着脱に手間がかかり、あまりポピュラーではありません。販売されている数も少なく、簡単に入手する事はできません。

リードが破損する

リードが壊れる事故はあまり多くはありませんが、国民生活センターによると毎年数件は発生しています。

リードの強度は個体によってバラつきがあり、弱い力でも破損してしまうものがあるようです。

リードを買うときに注意したいことは、ナスカンに錆や傷がないか、ロープにほつれがないかなどです。

もちろん、リードの適用体重は守りましょう。

飼い犬の体重が20kgの場合に、体重10kg用のリードを使用すると、破損の可能性が高くなります。

また、リードに傷ができたらすぐに取り替えることも重要です。

犬がリードに噛み付いて状態が悪くなった場合は、念のため買い替えるようにしましょう。

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犬の「ダブルリード」の使い方

リードを短く持つ飼い主とその愛犬 ダブルリードを初めて使う人は、2本のリードをどのように使えばいいかわかりませんよね。

ダブルリードの使い方は、大きく分けて2種類あります。

片方のリードをメインにする

一つは、両方のリードを手に持つ方法です。

注意したいのは、両方のリードを同じ力で引っ張ることです。

首と腰回りの両方を引かれることになり、犬にとって大きなストレスとなる事があります。

首輪かハーネスのメインで使用したい方を決めて、基本的に引っ張るリードは、どちらか一方のみにしてあげてください。

もう一方は、少したるませた状態にしておきましょう。

こうすることで、愛犬のストレスを最小限に、安全を確保する事ができます。

片方を腰に巻く

1本を片手に持ち、1本を腰に巻く方法もあります。

腰に巻いている方のリードは、少したるむようにセットします。

基本的に犬に指示を出すのは手に持っている方のリードで、腰に巻いているリードは、万が一の備えとなります。

この方法のメリットは、1本のリードに集中する事が出来る点です。

ダブルリードが初めての飼い主は、こちらの方が楽かもしれません。

しかし、犬が急に走り出した場合などに腰を痛める可能性がありますので、しつけが不十分であれば、両方のリードを手に持つ方法がよいといえるでしょう。

枝分かれしているリードを使用する

ダブルリードの使い方は大きく分けると上記の2種類ですが、最近はダブルリード用の商品も販売されています。

ダブルリード用の商品は、リードが途中から2本に枝分かれしており、片方を首輪に、片方をハーネスに装着することができます。

手に持つリードが1本で済むので、2本が絡まる心配もありません。

片方のリードを緩めておくことで、首輪かハーネスの、どちらか一方だけに合図が伝わるようにできます。

犬にダブルリードを利用したいシーン

人混みの中を散歩する女性とヨーキー ダブルリードは、どんな場合でも必ず必要なわけではありません。ダブルリードを検討したいのは、以下のような場合です。

力が強い犬、落ち着きのない犬を散歩させる場合

体格が大きく引きの強い犬の場合は、首輪やハーネスが取れる事や、リードが破損する可能性が高くなります。

また、大きな音がしたときなどにパニックに陥りやすい犬や、興奮しやすく動きが激しい犬もダブルリードを検討しましょう。

リードを引く人の力が弱い場合

女性や子供など、散歩をさせる飼い主の力が弱い方には、ダブルリードをお勧めします。

握力が弱く、犬が全力で走った時に1本のリードでは制御しきれない可能性等があります。

人混みの中を歩く場合

人が多い場所を歩くときは、愛犬をしっかりとコントロールする必要があります。

旅行などで観光地に赴く場合は、おとなしい犬でもダブルリードが望ましいでしょう。

慣れない土地の散歩中には、落ち着いた性格の犬でも突然興奮状態になる事や、パニックを起こす可能性があります。

首輪やハーネスが抜けやすい犬種の場合

首輪が抜けやすいのは首と頭の太さが近い犬種、そしてハーネスが抜けやすいのは足が短い犬種です。

これらの犬種はダブルリードにしておいた方が安心です。

次ページ:犬のダブルリードと一緒に使用できる犬用グッズ

犬のダブルリードと一緒に使用できる犬用グッズ

鑑札がついている首輪をつけている犬 ダブルリードと一緒に使用することで、より安心できるグッズをご紹介します。

迷子札

ダブルリードをしていても、愛犬が行方不明になる可能性はあります。念の為に、迷子札をつける事をお勧めします。

飼い主の住所や電話番号を記しておきましょう。愛犬が迷子になった際に、再会出来る可能性が高くなります。

鑑札

迷子札は非常に有効ですが、行政には迷子札だけをつけている犬の飼い主を探す義務はありません。

しかし、鑑札をつけていれば、行政にも飼い主を探す義務が生じます。殺処分という事態を逃れるために、鑑札をつけておくことを強くお勧めします。

マイクロチップ

ボーダーコリーと飼い主の男性 マイクロチップは、長さ8~12㎜ほどの電子標識器具です。

それぞれのチップからは15桁の数字を読み取ることができ、これによって犬の身元を判別することができます。

確実に身元を証明できるために、最近はマイクロチップの埋め込みを選択する飼い主さんが増えているようです。

生後2週間ほどから埋め込みが可能で、必要な費用は数千円になります。

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【犬とあなたをつなぐ】犬のマイクロチップの基礎知識


まとめ

「ダブルリード自体を知らなかった」という飼い主も居るのではないでしょうか。過剰装備にも見えてしまうダブルリードですが、万が一の備えとして効果を発揮します。

事故や行方不明を防ぐために、ダブルリードを検討してみてあげてください。

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文:Qpet編集部
犬の病気やしつけ、犬との暮らしに役立つハウツー情報などをお伝えしていきます。


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