2019年3月12日

愛犬の“長生き”のために気をつけるべきこととは?【獣医師14人が“飼い主として”体験したコト】

もしもマガジンアイキャッチ 獣医師の体験談から考える、長生きのヒント
犬の老化現象は避けられないものですし、その小さい身体には人間の何倍ものスピードで変化が起きています。

加えて、犬種ごとにかかりやすい疾患やケガなどが平均寿命に影響を与えている側面もあり、“知っていたから対策ができた”というケースも多々あります。

この記事では、アニコム損害保険株式会社に所属する14名の獣医師さんにご協力のもと、実際に飼われている愛犬の健康管理に関するアンケート結果を交えながら“犬の長生き”について考えていきます。

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獣医師が愛犬の健康に関して「ヒヤッ」とした瞬間とは

カートの中で目を瞑っているチワワ
「Q.愛犬の健康に関してヒヤッとした経験はありますか?」という質問への回答は、食べ物、持病、犬種ごとにかかりやすい病気に関連した内容が多く挙がりました。

ヒヤッと体験1位は、食べ物にまつわるトラブル(誤飲など)!


獣医師さんの「ヒヤッと体験」についてはさまざまな回答がありました。その中で最も回答数が多かったのが、散歩中の誤飲や食欲旺盛な性格にまつわるエピソードでした。この項目は多くの飼い主さんが「あるある」と共感するのではないでしょうか?

散歩中の誤食(未遂)、草むらでの目のケガ(未遂)。
(F先生/キャバリア 1歳)

おもちゃをかじって壊して食べるので見ていないとたまに危険です。
(H先生/チワワ×パピヨンのMIX 3歳)

実家では家族の協力が得られず、甘やかしで甘いものをあげてしまうことが多かった。
(かりんとうなど人の嗜好品)
(A先生/M.ダックス 推定12歳)

自身が気をつけていても、家族の方がついつい…なんてシーンは珍しくないですよね。健康管理には“家族の協力”が必要不可欠だと実感するお話です。

2位は持病による症状の心配


ソファにもたれかかるミニチュアピンシャー
続いて2位は、愛犬に持病があり、その二次的なトラブルや病状の悪化などを心配したという回答です。

持病を持った愛犬と暮らしていく場合、飼い主がその病気を深く理解し、経過などをしっかり管理することが求められます。

・てんかん持ち(麻酔はなるべくかけたくない)だけど首に大きな膿瘍ができた。
・目が見えないので目線の高さのでっぱりにぶつかっていく。
・目が見えないので2階の階段から落ちた。
・急に足を痛がり出すことがある。
・咳が続くときがある(心臓じゃないといいな、というヒヤッ)。
(T先生/チワワ 推定14歳)

コーギーの雑種で、現在、後肢麻痺の症状あり。
後肢を引きずって歩くので、すり傷ができたこと。
(W先生/コーギーとビーグルのMIX 15歳)

「この病気はどんなことに気をつけなければいけないのか?」そんな風に悩んだ時は、かかりつけの動物病院で事前に相談しておきましょう。

3位は犬種ならではの悩み(犬種ごとにかかりやすい病気など)


好発犬種といって、犬の病気にはそれぞれ“かかりやすい犬種”があります。

愛犬がかかりやすい病気や体質を知るとヒヤヒヤするシーンも多くなりますが、その危機感が予防につながることもあるはずです。

トイプードル:骨折やパテラ。
M.ダックス:キャンと鳴いたりした際にはヘルニアを心配した。
(E先生/M.ダックス 11歳、トイプードル 16歳、トイプードル 7歳)

下痢をしやすい犬種のため、少しでもお腹がゆるくなると酷くなりはしないかと心配になります。
(O先生/ホワイトスイスシェパード 5歳)


獣医師さんの体験談から“犬が長生きできる習慣”を考える


散歩中のブルテリア
普段相談する相手でもある獣医師さんが、愛犬の健康管理で気をつけていること……これは多くの飼い主さんが気になるトピックのはず!

「Q.愛犬が若い頃に気をつけたこと、今後気をつけてあげたいことは何ですか?」という質問には、実にさまざまな回答がありました。

その回答を分類しながら、健康的な生活を目指すポイントを考えていきます。

愛犬の長生きのヒント① 愛犬を理解して対策を。


やはり、愛犬がかかりやすい病気を意識して過ごしているという回答は非常に多くみられました。

定期的な健康診断、犬種ごとにかかりやすい病気を知っておく。
(H先生/チワワ×パピヨンのMIX 3歳)

犬種的に心臓疾患が多いため、心臓に負担をなるべくかけたくない。
(M先生/チワワ 2歳)

心臓がわるくなる犬種なので、定期的な心臓の検査。具体的には自分でできるので聴診、レントゲン、心臓エコー等。
(Y先生/キャバリア 4歳)

獣医師さんの場合はご自身でチェックできますが、皆さんは知識・設備ともに難しいところだと思います。定期的な健康診断の重要性を改めて感じますね。

腸内細菌データに基づいたフードの選択。
(I先生/トイプードル 5歳)

最近注目を集めている「腸内環境の改善」「腸内フローラケア」といったキーワードに関連するような回答もありました。

愛犬の長生きのヒント②かかりやすい病気を知る方法。


スマホの画面を覗くポメラニアンと飼い主の女性
犬種ごとにかかりやすい病気、愛犬の生まれ持った体質を知る方法として、以下のような回答がありました。

遺伝子検査。
(I先生/トイプードル 5歳)

遺伝子検査は、親から受け継ぐ体質や病気(遺伝性疾患)を調べることができます。人間でも著名人が検査を受けたことで話題になっていましたね。

兄弟犬が腫瘍で6歳で亡くなっているため、付属リンパ節の腫脹が無いかを日々確認しています。
(O先生/ホワイトスイスシェパード 5歳)

家族構成の中でも近しい兄弟などの既往歴は非常に参考になります。

遺伝の観点から病気の予防を推進するペット向けSNSサービス(血縁関係のあるユーザーとつながるには血統書が必要となります)もあるので、確認してみるのもいいかもしれません。

白書のような統計データを参考にして予防の参考にしたい。
(K先生/ビーグル 14歳)

アニコムグループでは、ペットの健康に関するデータ集「家庭どうぶつ白書」を毎年公開しています。“甘やかされた犬がかかりやすい病気は?”など、貴重なデータもたくさんあるのでQpetも度々引用させていただいてます。


愛犬の長生きのヒント③ 持病は理解と適切な対処を


持病を持っている犬の場合、健康管理はまさに“飼い主さんと二人三脚”。病気による症状や過程を把握し、可能な限り過ごしやすい環境をつくる工夫が必要です。

今回のアンケートでも、持病へのアプローチに関する回答が複数ありました。

水頭症かつ食事を我慢させるとけいれん発作を起こすため里親で迎えたが、投薬としつけで現在発作認めず。減薬を開始し、休薬を目指している。
(F先生/キャバリア 1歳)

・パテラのグレード2と3なので、カーペット面積を増やしていく。
・視力がさらに低下することを想定してでっぱりをなくす。
(T先生/チワワ 推定14歳)

愛犬の長生きのヒント④ 歯や食事は健康のバロメーター


歯を見せるゴールデンレトリバー
獣医師さんの回答の中で最も多かったのが「食事」「歯(デンタルケア)」に関する回答です。老化のサインの章でもお話ししたように、食事量や歯の状態は健康管理の上で重要なポイントとなるようです。

歯周病対策(様々な疾患と関連しているため)。
(A先生/M.ダックス 推定12歳)

1日2回デンタルジェルを使用し歯磨きしている。
(F先生/キャバリア 1歳)

歯周病が様々な疾患と関連している、という回答にドキッとした飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか?

愛犬が歯磨き嫌いでなかなか、などデンタルケアに関する悩みを抱えている方は、早めにかかりつけの動物病院で相談してみることをおすすめします!

・food量や食欲。
・毛づやなど体調面のcheck。
・体重のcheck。
・定期検査の実施。
・時期に応じたサプリメントの投与など。
(E先生/M.ダックス 11歳、トイプードル 16歳、トイプードル 7歳)

サプリメントをプラスするという選択肢はもちろん、“時期に応じた”という部分が気になりますね。フードは頻繁に切り替えることが難しい(好みや慣れなど)ですが、サプリメントなら気軽に食事の栄養バランスを見直すことができます。

愛犬の長生きのヒント⑤ 健康管理は「住環境」も大切


当然のことながら、“暮らしやすい環境”は人間と犬で異なります。飼い主さん目線ではなく犬の目線で部屋を見てみると、小さい足では上り下りが大変な段差など、気になるポイントが見つかってくるはずです。

椎間板ヘルニアには気を付けたい。段差ができるだけないような生活環境の用意など。
誤食癖があるので、犬のいる環境では低い位置に物を置かないなど。
(U先生/M.ダックス 2歳、6歳)

・とにかく誤飲しないように家の中を片付け続けています。
・家の中でジャンプしたり走り回ったりしても大丈夫なようにカーペットを敷くorすべらないワックスをかける。
(H先生/チワワ×パピヨンのMIX 3歳)

犬目線で見たときに気になる小物があったら……もちろん口にいれてしまいますよね。愛犬の行動範囲にどのようなものを置くか、誤食癖のある犬の飼い主さんは定期的に見直す機会をつくるといいかもしれません。

ペット共生住宅のように、ペットのための建材は気になります。
(K先生/ビーグル 14歳)

「ペット共生物件」など、最近ではペットとの共生をコンセプトにした空間づくりにも注目が集まっています。現在の部屋を改善する際の参考にもなるので、モデルハウスなどを訪れてみるのも1つの方法です。

愛犬の長生きのヒント⑥ 長生きに欠かせない運動について


砂浜を走るヨークシャテリア
ストレスのない生活(適度な運動と十分な睡眠)。
(U先生/M.ダックス 2歳、6歳)

運動による適度な疲れ、睡眠時間の確保、このいずれかが欠けてしまうとストレスが溜まりやすい環境になってしまいます。

運動嫌いや散歩嫌いというお悩みも多いですが、その場合は愛犬が興味を持てるおもちゃを探すなど、何らかの工夫をして身体を動かしてあげましょう。

運動量や呼吸数などでの心臓病の悪化のチェック。
(Y先生/キャバリア 4歳)

運動の様子で健康状態がわかるケースもあるようです。持病などがなく一見元気そうでも、運動前後の状態は確認しておくと安心です。

中年に差し掛かり、代謝が落ちてくるタイミングのため、体重増加させないよう管理を気を付けてあげたいと思います。
(O先生/ホワイトスイスシェパード 5歳)

老化に伴って運動量が減ったり、太りやすくなったりするケースもあります。ライフステージに合った運動を探してあげるようにしましょう。場合によっては、設備なども注意してあげてくださいね。

愛犬の長生きのヒント⑦ “もしもの時”に役立つトレーニングを


しつけや社会性を身につけるトレーニングなど、犬とのコミュニケーションが健康的な生活につながるという回答もありました。

広いところで走り回る、お泊りに慣れておく。
(T先生/チワワ 推定14歳)

室内飼いでお留守番も少ない飼い主さんにとっては、「お泊まりができるか否か」と「健康的な生活」の関係性にピンとこないかもしれませんが、実は大切です。

飼い主さんが家を空けて預けるとき、逆に愛犬が入院で病院にお泊まりとなったときの精神的なストレスが大きく変わってきます。

そんなシーンに直面する可能性はゼロではありませんし、お泊まりNGではもしもの時の選択肢が狭まってしまいます。

災害時や迷子時にそなえてオイデができるようにしたいです(今はできません)。
人が大好き、お出かけ大好き、病院も平気なのでそこは本当にありがたいです。
(H先生/チワワ×パピヨンのMIX 3歳)

マテ、オイデ、オスワリ、こうした基本的なコマンドもいざという時に活躍します。また、人に慣れていたり、動物病院でもリラックスできる状態であることは、健康診断や治療をスムーズに進める上で大切になってきます!

“愛犬ができること”を増やすのは、健康的な生活を送る上で重要なポイントとなることは意識しておきたいですね。



まとめ

ソファで寝ているダックスとウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア
愛犬が健康で長生きすること、これはすべての飼い主さんに共通する望みだと思います。

「これで長生きする」「あれがあれば病気をしない」といった方法論は存在しません。

それでも、あっという間に歳をとってしまう愛犬のためにできることを考える時間―まさに今の時間は、明日からの生活を心身ともに充実させてくれるはずです。

愛犬のもしもを防ぐ・備える

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文:Qpet編集部
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